映画「彼女が好きなものは」 恋愛×LGBT
映画「彼女が好きなものは」感想(※ネタバレ無し)
先日ずっと観たかった「彼女が好きなものは」をNetflixで見ることができた。
結論から言うと非常に考えさせられるテーマで、苦しくも甘美で素晴らしい作品
であった。できれば全ての高校で授業の一環として上映するのもいいのではと思う。
①山田杏奈の魅力
スイフトのCMでその姿を見たときから山田杏奈の虜になってしまい、彼女が出演している映画を漁っていたところ、気になっていたが結局見に行けなかった上記を発見
したというのが動機である。
AMUSEに所属ということで好感を抱き、印象的な瞳を笑顔に虜になっている人は
少なからずいると思う。
透明感のある見た目から繰り出される自然体の演技。時に芯の強さも併せ持った
実力派の女優と言えよう。
本作でも喜怒哀楽の表現で遺憾無く発揮されているのでぜひ観て欲しい。
②恋愛×LGBT
本作が陳腐な学生恋愛モノに留まらない理由は、神尾君演じる主人公がゲイである
ことに尽きる。山田杏奈さん演じる紗枝が腐女子であるということもだが、それは
単なるきっかけに過ぎない。
本作ただ単にLGBTへの理解を深めることを目的とした物語ではない。「ふつう」
とは何か。なぜLGBTの人は生まれるのか。多様性の時代に完全に乗り遅れている
日本への風刺。様々なテーマが盛り込まれている。
③クマノミに隠されたメタファー
本作ではたびたびニモ、改めカクレクマノミが出てくる。
神尾君演じる純の家で飼われている。何気なく出てくるので見逃しがちだが、
ここに2つのテーマが隠されているのではと思った。
1つ目はカクレクマノミ=隠れる=世間からゲイであるということを隠している
こと。純自身ではなく、シングルマザーの母親が飼ったのだが、余計に親に対してで
さえも隠していなければならないという、呪縛がここに現れている。
2つ目はクマノミの特性から、クマノミ自身をゲイと重ね合わせて見ているのでは
ないかということ。
というのもクマノミは産まれた時はオスメスがない。成熟するにつれて、一番大きな身体を持つ個体がメスになる。
つまりこのオスメスが無い状態=ゲイと表現しているのではないだろうか。
主人公自身が気づいているのかはわからないが、紗枝が訪れる際に興味を示し、
わざわざ餌をあげるシーンも展開していることから、ただのかわいいペットではない
ことは明らかであろう。
④まとめ
山田杏奈さん目当てで軽い気持ちで見たが、とんでもない映画であった。
結末までぜひ見て欲しい。甘酸っぱい高校生への憧れと懐かしさもあるが、それ以上にLGBTや「ふつうとは何か」について考えさせられる。
【参考サイト】
性転換をするって本当!?クマノミってどんな生き物? | いきふぉめーしょん